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放水試験と高架水槽

anshinnet11

 北海道でも真夏日になるぐらい気温が上がってきており、放水試験をするには気持ちの良い季節となってきました。


 今回の記事は点検業者向けになりますので、一般の方はわかりづらいかもしれません。


 北海道では、屋内消火栓や屋外消火栓の放水試験をした後に配管の水抜きという作業があります。

 よく、本州出身の消防設備士が北海道にきて、驚く事が多い作業のようです。


 基本的に消火栓の配管は湿式になっており、その配管内の水量も必要水量に含まれている為、本来は水抜きする必要がありません。

 しかし、北海道は気温が低い為、配管に水を入れたままにしておくと、凍って液体時より体積が増え、配管が破裂する事が多い為、配管の水を抜き乾式にしています。


 消火水槽も少し余裕を持った設計をしている事が多いです。


 たまーに例外があり、屋上の高架水槽と屋内消火栓の配管がつながった仕様のものがあり、その場合は配管にも水が入っている湿式となっております。

 最近の建物では、あまり見かけない仕様ですが、30年以上前のビルでは、ちらほら見かけます。


 この仕様が筆者は、好きか嫌いかで言うと非常に嫌いです。


 一番困るのは、高架水槽と屋内消火栓の配管をつなげて湿式にしている場合、高架水槽と屋内消火栓配管の間に、手動で開閉できるバルブと逆止弁(一方向にしか開かない弁)があり、放水試験をする際に逆止弁が劣化したり、破損したりしていると、水が高架水槽内に逆流する恐れがあるからです。


 高架水槽内は、飲料水で使用している事が多い為、屋内消火栓配管の水が逆流すると、確実に水が汚れます。


 それを嫌い、手動で開閉できる弁で閉め切って、高架水槽内への逆流は防ぐ事はできますが、今度は逆止弁が正常動作しているかの確認ができなくなります。


 もし、高架水槽と屋内消火栓配管を繋いでいる逆止弁が機能せず、高架水槽内に逆流した場合、高架水槽内の水が汚れる事も嫌ですが、細い配管から広い高架水槽内へ水が流れる為、放水試験をしても必要な放水圧力が出ないであろう事が予想されます。(水を小さい穴を通し、大きな口径の配管を通すと、減圧弁と同じ仕組みになってしまう為)


 ポンプの能力と高架水槽の大きさにもよりますが、筆者の場合、数回高架水槽の逆止弁が機能していなかった場合、一度も既定の放水圧は出ませんでした。

 放水圧が出ないという事は、実際の火災で消火に必要な圧力と水量が得られないという事になります。


 よって、消防設備士としては高架水槽の手動開閉バルブを閉めることなく、放水試験を行う必要がありますが、お客様には、逆止弁が機能してない場合100%水が汚れますが、手動開閉バルブを閉める事無く、試験をしていいですか?


 と、聞いても、「はい、わかりました。どうぞ」とあっさり了承してくださる事も、ほぼ無い為、新規物件などで了承を得ようとする場合は、非常に交渉が難航する場合が多く、毎回、頭が痛くなります。


 一つだけ言えることがあるとすれば、「保険は大事だよー」




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